1980年、春――。
都内の大学に通う曲直瀬雄二(まなせゆうじ)は、2つの“ヒミツ”を抱えていた。それは、高校からの腐れ縁である松永正樹への密かな想い。そしてもう1つは、自分の性に対する違和感だった。
まだ“トランスジェンダー”という言葉が知られていなかった、昭和時代。「心の性」と「体の性」の違和感に苦しみながら、“カノジョ”が望んだのは……。
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