生まれつき、足が速かった。他には何も持っていなかったが、速く走ることだけでよかった。それは「学校での居場所」を生み、「友達をつなぐ橋」となった。それだけが、少年の全てだった。そんな彼が出会ったのは、辛いことを忘れるために走っている少年。彼は決して速くはないが、熱を持っていた。その熱に当てられて、次第に興奮を知っていく。しかし、それは「異常」の始まりだった。「100m」は全てを狂わせるのだ――。
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